すみませんありがとうございますと恐縮しながらも、やっぱり視線はその深紅に吸い寄せられる。
白熱灯の電球に反射して赤がキラキラ煌めく。
今のところ、わたしの目には赤一色にしか映らないけど、ある一定の条件ってなんだろう。
温度か、光の当たり具合か。
「気に入ったかい?」
「あ、えっと……はい、知り合いに、似ていて」
「そのひとも宝石なの?」
冗談だってわかったけど、わたしは口許を綻ばせる。
「かもしれません。ほんと、わたしなんかが手を伸ばしても届かないような存在で」
すると、じっと顔を見つめられた。
なんだろう。
なんだか目を見られているような気がする。
自慢できる顔じゃないのでそんなに見ないでほしい。
「……、あれ?」
さりげなく視線を逸らしたところで、わたしはあることに気付いた。



