その言葉はいま初めて聞いたはずなのに、わたしの脳裏に浮かんだのは遠い過去の思い出だった。
──白、好きなの
──え? ううん、ふつう
どうして? と問うたのは幼いわたしで。
いつも白ばっかだから、と返したのは幼い幼なじみ。
その頃のわたしはたしかに白い服ばかり着ていた。
──おかあさんがね、女の子はやわらかい色がいいんだよって
──ふうん
──でも、わたし"そそっかしい"し、すぐ汚すし、白って似合わないかも、あはは~
そんなことない、って言ってくれた東雲さんはそのあと珍しく何か言いたそうにして、結局やめていた。
もしかしたら、あのときも──



