彼の深い優しさに時が止まったような思いだった。


わたしのトラウマは暗闇じゃない。

自分のせいで東雲さんに怪我をさせた事だった。


それを思い出す環境に恐怖を感じていた。



なぜ東雲さんとふたりでいることが息苦しかったのか。

それは、また、東雲さんを傷つけてしまうことが何よりも怖かったからだ。



わたしはずっとそれが──自分が、怖かった。