……────暗闇の中。


右も左もわからない空間で、自分の息遣いだけが聞こえる。

いつまで経っても変わらない暗闇の世界に、諦めにも似た境地に陥りそうになった。



埃のせいか喉にずっと違和感があって。

瞼の裏には、チカチカと星が飛んでいる。


必死に酸素を吸い込もうとするけどうまくいかず、ひゅう、と頼りない音が漏れるだけだった。




もうダメかもしれない。


そんなことを考えていたときだった。

カタン、と外から物音がしたのは。



瞼を薄く開いて目を凝らすと、すき間から漏れるほんのわずかな光の先に、"二つの白い光"が見えた。







『────……れん、みっけ』