「助けて……もう食べられない……太る、太っちゃう~」
「おがあちゃぁん、置いで行がないでぇ~……」
「ヒィィ……猫が! 僕、猫アレルギーなのにぃ……」

 三人は地面に寝転がって、各々の深層心理にこたえる悪夢に苛まれている。

 幻惑の術を解き、それでもまだ動けずにいる女生徒の顎を上に向けさせた。
 蔑みの視線を込めて見下ろす。

「あいつを手の平の上で転がしていいのは、俺だけだ。忘れるな」
「ごめ、なさ……もう二度と……しませんから……」

 相手が震え上がっている様子に満足したら、恐怖感だけを心に残して、記憶を消す術をかけるのを忘れずに。
 これで、「なんとなく」身の危険を感じて、公花を傷つけることはなくなるだろう。

 公花に絡んでいきそうなやつは、奥歯ガタガタ言わせて先にシメておく。

 ――こうして、公花の平穏は守られているのである。