前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す

「そういえば公花。明日からまた、勉強会を始めるぞ」
「あっ、うん、そう、そうだったね……」

 不意打ちをくらった気がして、口元が引きつった。
 来週には期末テストが迫っている。剣は勉強に関しては手を抜かない。またスパルタの日々が始まるのかと思うと――日常に戻るのが早すぎたかもしれない。

「でも剣くん、しばらく授業に出れてなかったじゃない。自分のほうは大丈夫なの?」
「もともと頭のできが違うからな。勉強しなくてもすべて頭に入ってる」

 なにそれずるい、と唇を尖らせる。

「そりゃあ四百年も生きてるスーパーおじいちゃんなら知識も豊富でしょ……」
「なんだって?」

 公花は失言に気づいて、口元を両手で抑えた。

「な。なんでもないよ! なんでもないったら!」

 ぱたぱたと顔の前で振っていた手を難なくキャッチされて、公花は肩を竦めた。墓穴を掘るとはこのことだ。

 剣は握った公花の手の甲を自らの口元へと持っていき、軽く唇を押し当てて言った。

「なぁ公花。結果が伴わなかったら――わかってるよな?」

 ――三日月のように怪しく光る金色の目からは、一生逃げられそうにありません。