嫌いな君の気持ちが知りたい


「心の準備、できてないよ。――なんで私なの?」
「そんな悲しいこと言うなよ。俺はエリイに惹かれた。ただ、それだけだよ」
「なんで……」と私は本当によくわからなかくなった。仮にカノウと付き合ったとして、一体、何になるんだろう。カノウをもう一度、見ると、カノウは少なくとも、からかってはいなさそうな表情をしていた。こう言うとき、心の声が聞こえたら、楽なのに、なんでカノウの心の声は聞こえないんだろう。

「カノウみたいに性格いいし、明るいし、顔だっていいから他の人からモテまくってるでしょ。こんな陰キャで学校で一言もしゃべらないし、誰も友達がいない、私なんかにどうして……」
 
 気がつくと、私はカノウの胸の中に引き寄せられていた。カノウの胸は筋肉質で硬かった。