坂野くんとデートを約束した日曜日。

梅雨の季節には珍しく快晴。

青空がとても綺麗な朝。

10時ぴったりの時間にメールが入った。

『今高田さんちの近くのコンビニにいるんだけど、もう来れる?』

坂野くん、もう着いたんだ。

私もデートするために早起きして準備はできていた。

『今から行くね』

私は坂野くんにメールを打つとスマホをカバンに仕舞い、靴を履く。

初めてのデートが楽しみで仕方なかったのに。

直生と遥生の言い合いがあってから坂野くんのことを考えている余裕がなくなってしまって。

今日のデートで坂野くんとお付き合いするか決めようと思っていたけど心のどこかで坂野くんとのお付き合いは断りたいと思うようになっていったの。

あの2人は結局仲直りしたみたいだけど、私には一切何も話してくれなかった。

あの時たしかに私のことで直生が悩んでいる、って遥生は言ったよね。

それが何なのか、私が何かしてしまったのか。

2人のことを考えても何も思いつかないまま、坂野くんとのデートの日を迎えてしまった。