うわのそらでも恋がしたい。



「ごめん,なさい? それ友達が言ってたやつ,間違え,ました」

「そーか,そーか,友達が。それはそれは仕方ないな。だとしても,だ成瀬。今は,今は……4時間目だろーが!!!!!!」



誰かどうにかしてくれと,たけぴよんは涙目で一回転する。

あぁそうか,4時間目。

今日,はやい。









「あははっそうなんだ」

「うん」



湊くんに誘われた帰り道,何か話せと言われて1日の少ない記憶の話をした。

湊くんは決まって私から目を逸らさないし,特別な話でも聞いているように楽しげに笑う。



「……湊くん,今日部活は?」

「部活は辞めた」

「そうなんだ」



こくんと頷いた私に,湊くんは笑って見せた。