「中2の頃から,そらちゃん見ながら先輩先輩言うやつが増えてきて。なんかムカついて,うっとーしくて。だから敢えて同じ土俵に落とすことで,格の差を見せつけたかったんだよね,僕」
とくとくと,流れた。
とくとくと,流れ込んでくる。
「そろそろ,僕を見てよ。好きだよ……空音」
さらりと髪をとかれて,私は大きな手のひらを感じながら,1つ……頷いた。
「ふ……んはは。可愛い,そらちゃん,大好き」
もう何度も聞いたよ。
冗談じゃないって,分かってる。
私も,好きかもしれない。
ううん。
「湊くん,すき。……だと思う」
「過剰サービスだね,そらちゃん。うっかりおそいそー。まぁ今は,ハグで勘弁ってことで」
私を人形のように抱き締める湊くんは,私のつむじに顎をさして笑った。
……いたい。
ーFin



