うわのそらでも恋がしたい。




「あら,2人揃ってるの? そうしてるとまるで若い夫婦……とあらうっかり」



まっと,湊ままが片手でぽふりと口を塞いだ。

私はあははと微笑んで返す。



「私じゃ湊ままも困るでしょ? いつも言ってるような完璧な子じゃないと。知ってる? 湊くんモテるんだから」

「昔から好きな子にはモテないけどね~。それに,何言ってるの? そらちゃんなら私はいつでも大歓迎なんだから~!!!」



……そうなの?



「じゃあ湊まま,手洗ってきま~す」

「はーい,準備してま~す」



人の家を当たり前のように走る私。

悠々と動き回る私に,湊くんもついてくる。

がらがらと扉を閉じた途端,湊くんが私を捕まえた。