君と夢に跳ぶ恋

よく見ると手や顔が切れて血が出ている。

「絆創膏・・・。持ってるのに貼らないんですか?」

「ああ、さっきのが最後の一個だったから。」

「えっ・・・。」

男の人の方が傷が酷いのになんだか申し訳ない。

「大丈夫だよ。慣れてるし。」

私の考えていることを読んだかのように男の人が言う。

「えっと、その、よかったら買ってきましょうか?」

「いや、いいよ。それよりもうちょっとおねーさんとお喋りしたいな。」

「いや、でも・・・。」

「いいからいいから。」

それを聞いて一度上げかけた腰をまた下ろす。

「なんかおねーさん暗い顔してたけどなんかあったの?」

「実は・・・、一昨日彼氏に浮気されて振られちゃって。」

「えー、おねーさん可愛いのに。」

「でもよく考えたら彼だけが悪いわけじゃないんです。」

何で私、あったばかりの人、しかもヤンキーにこんな話してるんだろう。