君と夢に跳ぶ恋

「ほら。傷が残ったら大変だよ。早く手当しなきゃ。」

そう言うと男の人はくしゃくしゃの絆創膏を取り出し、私の傷口にぺたりと貼った。

「あ、ありがとうございます・・・。」

「家に帰ったらちゃんと消毒したほうがいいよ。」

そう言うと今度は私の右頬に手を伸ばしてくる。

「ここも手当してあげたいけど、今湿布持ってないや。」

「い、いえ。お気になさらず・・・。」

「これも転んじゃったの?」

「ま、まあ・・・。」

「おねーさん危なっかしいね。心配だなあ。」

ふと男の人の傷が目に入る。

「そ、その傷・・・。」

「あっこれ?なんてことないよ。ちょっとやり合っただけ。」

そう言ってにぱっと笑う男の人。

やり合ったって・・・。喧嘩したってことだよね・・・。

じゃあ、

「昨日追いかけられてたのって・・・。」

「ああ、ちょっと仲間にハブられちゃって。敵の奴らに俺のフリして喧嘩ふっかけたみたいでさ。まさかあんな大人数で来るとは思ってなかったから焦ったわ。おねーさんが助けてくれなかったらヤバかったよ。」

「まあ、結局今日見つかってボコられたけどな。」

そう言って男の人はフッと笑う。