ドン!



「おい茉璃亜、また絵なんて描いてるのか!
勉強するんじゃなかったのか?」

勢いよく開かれる扉と同時に降りかかる怒声。取り上げられるペン。

・・・やばい。

「俺はお前に絵を描かせるために筆記用具や紙を買い与えてやってる訳じゃないんだぞ!
何回言ったらわかるんだいい加減にしろ。」

「でも、文化祭のポスターの挿絵頼まれてて・・・」

「ポスター?勉強や成績に関係ないもんはやるなって言っただろ。なんで断らないんだ?」

「ごめんなさい。でも・・・」

「お前だってこんなもん頼まれたって迷惑なだけだよな?そういう時はしっかり断りなさい!お前のためを思って言ってるんだぞ?」

「わかってるけど・・・」

「これだから低レベルの公立中学は。思った通り頭の悪い生徒ばかりだな。お前にまで馬鹿が移る。」

「文化祭なんて浮かれた行事やってる暇があったら勉強でもしたらどうなんだ?」