後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密


放課後。


リュックに荷物を入れていたら、五十嵐くんが「じゃあな、松田さん」って言って通り過ぎて行った。


「えっ!?」


私が思わずそう言うと、五十嵐くんが振り返ってニヤッと笑う。


「あれ?何か用だった?」


そう言って私に近づく五十嵐くんは、いつもと違ってちょっとイジワルに感じる。


「…な、なんでもないよ。」


なんとかそう言った私の手に、周りの人に見えない角度で五十嵐くんの手がそっと触れる。


ドキッとした瞬間、メモを渡されたのが分かった。


五十嵐くんは、私の目を見つめながら「そ?じゃあまたね。」と言ってにっこり笑うと、リュックを背負い直して教室を出ていった。


五十嵐くんの背中を見送った後、こっそりとメモを開く。


『俺が声掛けた後、すぐに駐輪場裏にきて。』


そう書いてあった。


――駐輪場の裏?また保健室かと思ってたのに…。


ワケがわからないまま、とりあえず指定された場所に向かった。