「あなたがだれかですって?」

 わざとおおげさに驚いてみせた。

「クリス、ユリシーズ。ききましたか? 彼のことを知っているかですって」
「ええ、アミ様。そのようにきこえました」

 ユリシーズは、間髪入れずに答えた。

 彼がわたしの名を呼んだので、それでバートは気がつくと思った。