(なるほど……)

 手紙を机上に放り投げると、それらは弧を描きつつ落下していく。

 椅子の背に背中をあずけた。

 手紙によると、バートはここに来るらしい。いいえ。来るらしい、という表現は違うかもしれない。

 彼にとっては、「帰ってくる」あるいは「戻ってくる」になるでしょうから。それはともかく、彼曰く「おまえがこの手紙を読む頃には、王都を出発しているだろう。おまえはそんな田舎で好き放題やって贅を尽くしているみたいだから、おれみずからが戻ってやって領地内の経営をやり直してやる。だから、おまえはおれが到着するまでにきれいに消えておけ」

 ざっとこのような内容だった。