廊下にまでいびきがきこえている。

 よほど疲れているのか、あるいはもともといびきがひどいのか、とにかくバートと彼の愛する人のふたつのいびきが廊下に響き渡っている。

 居間の扉を開けた。が、そのくらいで気がつくわけはない。

 長椅子に近づいた。ローテーブルをはさみ、バートとその愛する人は、それぞれの長椅子でだらしなく眠っている。

 手のひらでローテーブルを音高く叩いた。