「おまえとは離縁だ」

 再度冒頭を読み直した。

 それから、二行目以降に目を通し始めた。

 開け放たれた窓の向こうでは、小鳥たちがお喋りをしている。牛や羊や山羊の呑気な鳴き声が風に乗って流れてくる。

 そういう耳にも心にもやさしい音をバックに、感情をさしはさまず頭の中を真っ白にして読み進めた。そして、読み終わった。