カニンガム公爵家の屋敷が丘上に見えてきた。

 ここがカニンガム公爵家の敷地と示す看板を通りすぎ、緩やかな丘を登っていく。

 小麦畑のサワサワという音と微風が窓から侵入し、耳と頬を同時にくすぐる。

 馬車は、昔使っていた建物の前で停まった。