だけど、充実していた。それまでのたらいまわしの生活が無為すぎ、長すぎた。だからこそ、よけいに充実感を味わえているのかもしれない。

 とにかく、夫が王都でレディを侍らせ贅沢三昧をしていることなど気にならないくらい、ここでの生活が気に入っている。

 窓外から手元の手紙へ視線を戻した。

 読む気にはならないけれど、目を通しておいた方がいいかもしれない。

 机上にもう一通手紙を置いている。