太った。

 確実に太った。

 そう確信している。それを二人に指摘されるのは、恐怖以外のなにものでもない。

 太ったという事実は心の奥底に封印するとして、こうして各地を訪れるのは最後から二番目の地域にさしかかった。

 そこの地域は、カニンガム公爵家とはもっとも関係が深く、地域を統べる現在の長は亡くなった義父と大親友である。だから、カニンガム公爵家の事情もよく知っている。義父が生前の頃から、わたし自身まるでほんとうの娘のように可愛がってもらっているし、おおいに助けてもらっている。