会ったことのない元旦那様。「離縁する。新しい妻を連れて帰るまでに屋敷から出て行け」と言われましても、私達はすでに離縁済みですよ。それに、出て行くのはあなたの方です。

「もちろんだ。おれたちは、この国のすべての民に養ってもらっている。生かしてもらっているんだ。その恩に報いる為にすべての民を守り、豊かな生活を保証し、しあわせにする。まぁ、言うは易しでそれがどれだけ難しいかは重々承知してはいる。が、努力する。それを惜しまぬ」

 その瞬間、クレイグ様の唇がわたしのそれに重なった。

「王太子殿下、王太子妃殿下」
「おめでとうございます」
「キャーッ、素敵すぎます」
「いついつまでもおしあわせに」

 みんなの祝辞の中、クレイグ様とわたしは抱き合い、口づけを続けた。


                                  (了)