いまはちょうど収穫の時期。領地内の各地では、豊穣を祝う祭りや宴が盛大に行われる。毎年、各地からお誘いを受けている。

 じつは、いまはもう存在しないであろうわたしの一族は、癒しや加護を施すことの出来る力を有している。だからこそ、弱小でありながら国としてかろうじて存続出来た。その強い力によって、国は周囲のどの国よりも豊かだったからである。もっとも、周囲の列強国たちはその力を欲し、あるいは恐れていた。だからこそ、彼らはわたしたちの国に攻め入り滅ぼしてしまったのだけれど。

 それはともかく、そういうわけでこんなわたしでもその力はある。