クレイグ様は、バートと彼の愛する人を許さなかった。

 クレイグ様に首根っこをつまみあげられ、容易にぶん投げられおもいっきり床に落ちて気を失ったバートは、すでに拘束されている。

「おれがだれだかわかるか?」

 居間ではなく、前庭の地面に跪かされているバートと彼の愛する人の前に立ち、クレイグ様は語気鋭く尋ねた。

 彼は背が高く、筋肉質でがっしりしている。顔はごつくいつも険しい表情をしているけれど、じつは笑うとえくぼが出来てめちゃくちゃ可愛くなる。

 もちろんいまは、険しい表情を保っているけれど。