とはいえ、彼らは王都を出発しているので「来なくてもいい」と返信を送るわけにもいかない。

 もっとも、あれだけ何度も手紙を送ったり人に伝えに行ってもらっても一度たりとも連絡がつかなかった。というか、返信や返事がなかった。

 返信を送ったところで見るわけがないでしょうけれど。

「まっ、いいか」

 そう結論付ける。

 そして、もう一通の手紙に手を伸ばした。それから、姿勢を正して熟読し、すぐさま返信を認めた。