「アミ、すまない。到着が遅くなったばかりに、きみに怖い思いをさせてしまった。いや、それどころか、とんでもないことになっていたかもしれない。アミ、わが愛する婚約者よ。ケガは? ケガはないかい?」

 言葉が終わるまでに、わたしは彼の胸の中にいた。彼にお姫様抱っこをされていた。

 わたしの婚約者クレイグ・デズモンドに抱きかかえられ、彼のいかつい顔を見上げていた。


 五年前、バートに嫁いだはずだった。が、義父母は最初からわかっていた。

 バートとはうまくいかないことを。