「……高嶺の花?何言ってんだよ。それは俺の台詞。檜山は君のこと狙ってる。気付いてなかったの?困った人だな。罰を与えよう」

 そう言うと、チュッと音を立てて軽いキスをした。

 「……だ、ダメ。おしまいにして下さい。ドキドキしすぎて苦しいの」

 彼は私を見て、ぎゅっと抱きしめた。

 「可愛すぎる。ドキドキしすぎて苦しいって、俺のキスでそうなったんだろ?まずい、やばい……」

 そう言って、トイレに行ってくると言ってそそくさといなくなった。

 呆然としている私はずるずるとしゃがみ込んでしまった。

 その日はそれで解放してくれた。シャワーを浴びて逃げるように部屋へ行き、鍵をかけて休んだ。