「うん。大好き。最初から私のピンチを救ってくれたんだ」
「そうか。それなら、先生の気持ちに応えてやれ。先生がどれほどの勇気を持って父親の俺に連絡してきたか、俺と向き合い事実を確認した上で、お前に話すつもりなんだろう。美鈴がこのことを話せない気持ちもわかるから何とかして守りたいと言っていたんだ……本当にいい人だと思ったよ」
「いい人だし、それに何より住田先生同様、小児科医として素晴らしい人なの。私は最初、彼の病院に訪問して出会ったの。子供達は彼が大好きなのよ」
「仁史が連れてきてくれた縁だな、きっと」
「お父さん、それ、住田先生も同じ事言ってた……ただ、お母さんも喜んでくれると嬉しいんだけどな」
「きっと空の上で二人は一緒にいる。もちろん今だって俺達が話しているのを聞いているはずだ。あいつも今は昔と同じ優しい母親に戻ったはずだ。きっと美鈴の幸せを喜んでいる」
「うん。そうだよね……」
「そのうち……良かったらふたりで遊びに来い。なにも気にすることないからな。幸せになれよ、美鈴」
「はい。お父さんも元気でね」



