帰り際に急患が出たが、他の先生が引き受けてくれた。
「原田先生、限界なんでしょ?様子が変だもんな。今日はやりますよ。ただし、これ以上ひどくならないように今日は休んで下さいね」
「ありがとう」
俺はそういうと、急いであがった。俺の日頃の行いが良かったんだな。自分で自分を褒めてやりたい。美鈴のせいでメンタルがぼろぼろだったが、多少浮上した。
急いでマンションへ帰った。扉を開けると彼女が立っていた。俺は靴を脱ぐのも忘れて美鈴に抱きついた。彼女は支えきれなくて後ろにひっくり返ってしまった。
「ごめん。大丈夫か?」
身体を起こした美鈴は俺を見て、目を丸くしている。
「……先生。こんなに憔悴しているとは思っていなかった。心配かけてごめんなさい」
また抱きついた俺に、頭を撫でてくれた。



