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「――何か、用? ま、また浮気を疑いに来たの? それとも、笑いに?」
もう、疑われるならどうでもいい。
本当は、罰ゲームとかで告白したんじゃないかなって思い始めていた私は乾いた笑いをする。
「違う、違うんだ。謝りにきた、誤解だって叱られて、俺……最低なことを」
「誤解? 何が?」
「知らなかったんだ。綺依ちゃんが、双子のお姉さんだったなんて」
「え? 知らないって、妹のこと?」
「あぁ。本当に申し訳ない! 別れたいを、撤回したいんだ!」
撤回……?
「私、は……傷つきました。信じてもらえなくて、悲しかった」
「……っ、ごめん」
「でも、言ってなかった私も悪いよね。私、そっくりのこぴーしたような双子の妹がいます。依叶って名前です、きっと見たと思われる男性は幼なじみだと思います」
依叶なら、私にとっては幼馴染といたんだと思う。彼らは付き合ってないけど両片思いをしているから。
「あの二人、お互いに好きなのに気付いてないの……じれったくてたまらない」
誤解は無事に解け、気まづさはあるけど元鞘に戻った。私が依叶と幼馴染の緋翠を紹介して初めての『別れたい騒動事件』は幕を閉じた。
そうして、数日後。
「綺依、私、緋翠くんとお付き合い始めたよ。綺依と、まぁ……ムカつくけど綺依の彼氏くんのおかげ!」
「え、おめでとう!」
まぁ、いろいろあったけどみんな大事な告白をして落ち着いたので……めでたしめでたし、だ。
終わり



