Good day ! 3【書籍化】

そう言えば、とこずえが思い出したように話題を変えた。

「恵真のウェディングドレスの写真、すっごく素敵だったよ!飛行機の前で、制服姿のパイロットやCAさんや整備士さん達もいて」
「うん、あれね。私は何も知らなくて、大和さんにいきなりハンガーに連れて行かれたの。もうびっくりしちゃった」
「へえ、そうだったんだね」
「でもおかげでとっても良い思い出になった。こずえちゃんにもらったフォトフレームに入れて、大事に飾ってあるよ」

そっか、とこずえも嬉しそうに笑う。

「それでね、伊沢がその写真見る度に、やっぱり結婚式挙げたいって言うのよ」
「そうなんだ!こずえちゃんは?挙げたくないの?」
「んー、挙げたくないっていうか、あんまり興味なくて。私がウェディングドレス着るなんて、似合う訳ないしね」
「そんな事ないよ。こずえちゃん、クールビューティーだもん。絶対に似合うって!私もこずえちゃんのドレス姿、見たいなあ。ね、迷ってるなら思い切ってやってみたら?結婚式」

こずえは腕を組んで、うーんと考え込む。

「まあ、そうね。多分、人生で一度切りだと思うし」
「た、多分って…」
「よし!いっちょ、伊沢の望みも叶えてやるか!」
「うん!伊沢くん、喜ぶよー。私も二人の写真、楽しみにしてるね!」
「おう!」

こずえはかっこ良く恵真にサムアップしてしてみせた。