(それにしても大和さん、本当にかっこいいなあ)

恵真が載せたばかりの写真を見返していると、次々といいね!やコメントが付く。

(わあ、早い!)

『こんなイベントあったんだー?!』
『すごーい!次回は参加したい!』
『どの子もみんな、かっこいいですね!』
『機長さん、ステキ!』

など、矢継ぎ早にコメントが寄せられる。

そのうちに、『あれ?』というコメントが書き込まれた。

『このキャプテン、確かパイロットと結婚した人じゃないですかね?』
『あ!そうだ。夫婦パイロットの佐倉キャプテンだ』
『去年の12月頃にSNSで紹介されてましたよね。奥さん、お元気なのかしら?』

(は、はい。お陰様で…)
と、恵真はコメントを読んで頭を下げる。

『あの時のハネムーンフライト、乗りたかったのに都合がつかなくて。またやって欲しいな』
『フルムーンフライトもあったらいいですね』

(えっ!まさかこのコメント、お母様じゃないわよね?)

恵真は思わず、投稿者の名前を確認してしまう。

『フルムーンフライト!それ、いいですね』
『お子様のフライトデビューとかもやってもらいたいです。搭乗証明書、子どもの記念に残したいな』
『あー、搭乗証明書いいですよね。ハネムーンフライトでもらった人が、ブログで紹介してるの見ました』

(えっ、そうなの?!ひえー、なんてこと)

もはや恵真は、次々と書き込まれるコメントに、一つ一つ反応してしまう。

「ん?藤崎さん。さっきから百面相してるけど、どうかしたの?」

川原が不思議そうに恵真を見る。

「あ、はい。早速SNSにたくさんコメント頂きまして…」
「へえ、どれどれ?」

自分のデスクのパソコンで、川原がSNSをチェックする。

「なるほどー。フルムーンフライトに、お子様のフライトデビューか。なかなか良いアイデアね」

そう言うと川原は、じっと一点を見据えて考え込む。

「上層部にこのアイデア上げてみるわ。お客様のコメントも引き続きチェックして、反応が良さそうなら実現するかも」
「えっ、本当ですか?」
「ええ。何と言ってもお客様からのご要望だものね。貴重なご意見よ」

確かに、と恵真は頷く。

「あー、本当だったらこの先も藤崎さんに手伝ってもらいたいくらいよ。でももう、こんなにお腹も大きいものね。無理させちゃいけないわ。そろそろ具体的な産休と育休の話もしておかなきゃね」

少し寂しさを感じながら、恵真は、はいと返事をした。