Good day ! 3【書籍化】

「彩乃さん、無事で良かった…」

改めて恵真は、ベッドの横の椅子に座って彩乃の手を握る。

「倒れたなんて、お腹は大丈夫だったんですか?」
「それが私もその時の記憶がなくて。気づいたら、近くにいた人に抱き起こされてたから。でも先生がおっしゃるには、羊水で守られているから、赤ちゃんはそれ程ショックを受けた訳ではないだろうって。それに見ていた人によると、私もいきなりバタンと倒れたんじゃなくて、ふらっと壁に寄りかかりながら崩れ落ちた感じらしく、お腹は打ってなかったみたい」

うんうんと頷きながら、恵真は目を潤ませて話を聞く。

「ちゃんと赤ちゃんの様子も確認してもらったから、大丈夫よ」
「良かった…。でも一人で心細かったですよね?彩乃さん」
「ううん、平気。パイロットの妻なんだもの。これくらいは覚悟の上よ」

彩乃さん…と、恵真は心を打たれる。

「それより恵真さんこそ、そんなに心配しないで。ね?お腹の赤ちゃんに悪いわよ」
「はい、ありがとうございます」

逆に自分が気遣われ、恵真はしっかりしなければと笑顔になる。

「野中さんが来られるまで、気分転換になるように、そばにいますね」
「ありがとう!でも本当にご心配なくね」
「いえ、どうせおうちでゴロゴロしてたところだったし。せっかくだから、彩乃さんとおしゃべり楽しみます」
「あら、嬉しい!」

二人でふふっと顔を見合わせた時、大和がスポーツドリンクを手に戻って来た。

「彩乃さん、これでいいですか?」
「はい、ありがとうございます!」

大和は彩乃に微笑むと、もう一本恵真にも差し出す。

「恵真も飲んでね。今日は暑いから」
「ええ、ありがとう」