「伊沢くん、こずえちゃんとは順調なんだね。新しく住むお部屋は見つかった?」
「あー、探してるんだけどさ、なかなか二人のオフが合わないんだよ。一緒に内覧行きたいのに行けなくて、そうこうしてるうちに他の人に決められちゃってさ」
「そっか。確かにタイミング難しそうだね」
「そうなんだよ。しかもこずえは、別に今の部屋のままでいい、とか言うしさ」

恵真は少し含み笑いをする。

「でも伊沢くんは、ちゃんと新居を構えたいんだよね?」
「そりゃあな。やっぱりケジメは大事だろ?今のままだと、ほんとに俺、こずえに拾われた子犬になるからさ」

あはは!と恵真は、おかしそうに笑う。

「相手はあの男前のこずえだからな、俺も相当頑張らないと。今はまだこずえにWilcoって頭が上がらないけど、必ず機長になって、こずえにも頼られる男になるよ」

へえ、と恵真は感心する。

「伊沢くん、なんだかとってもかっこ良くなったね!」
「そう?ま、弱音吐くと、こずえにバシッて背中叩かれるからな。嫌でも気合い入るよ」
「ふふ、ほんとにお似合い。伊沢くんとこずえちゃんの幸せな報告、楽しみに待ってるね」
「おお、任しとけ!恵真の出産報告も、楽しみにしてるからな」
「うん!」

二人は笑顔で頷き合った。