Good day ! 3【書籍化】

「恵真さーん!お久しぶり」
「彩乃さん!お久しぶりです」

3日後。
野中のオフの日に、四人はショッピングモールの中にあるお店で落ち合った。

恵真は彩乃と手を取り合って、互いの妊娠を喜び、お腹に手を当てて大きさを比べる。

「わー、同じくらいね」
「ほんと。すこーしポッコリしてきましたよね」

二人ともペタンコのシューズにワンピースで、見た目は妊婦とは分からないが、これからは日に日にお腹も膨らんでくるだろう。

「凄いわねー、こんなに色んな種類のマタニティーウェアがあるのね」
「あ、このチュニックとパンツの組み合わせ、いいですね。動きやすそう」
「ほんと!お腹が大きくなってもこのパンツなら苦しくなさそう。それにこのゴムの部分、腹帯の代わりにもなるわね」
「確かに!お腹が安定しそうですね」

二人でワイワイと楽しく選んでいく。

気づくと、さっきまで近くにいた大和と野中の姿が見えない。

「あら?どこに行っちゃったのかしら、二人とも」

広い店内を見回すと、新生児コーナーで肩を並べて見入っている大和と野中の後ろ姿があった。

「うわっ、見ろよ佐倉。この肌着の小ささ。可愛いったらないな!」
「ほんとですよ。もう天使の服にしか見えません!」
「こーんな小さな赤ちゃんが産まれてくるんだぞ?」
「フニャフニャで柔らかくて、可愛いに決まってますよね!」

大の男が二人で寄り添い、ほわわーんと宙を見つめている。

近づいて声をかけようとしていた彩乃と恵真は、顔を見合わせて首を振り、他人のフリをして離れていった。