そしてまた健診の日がやって来た、
大和は、傍目にも分かりやすくウキウキしている。
「恵真、今日からだよな?お腹のエコーになるの」
「はあ、おそらく…」
恵真は自信なさげに返事をする。
確証はないが、今日からお腹の上からの超音波検査になり、つき添いの大和も一緒に見られるはずだった。
大和は受付で待つ間も、恵真が誕生日に贈った手帳をニヤニヤと見返している。
「あれから2週間かあ。おちびちゃん達、大きくなったかなー?」
こういう時の大和は、横から何を言っても耳に入らない。
恵真は心得たように、黙って隣に座っていた。
やがて、佐倉さーんと名前を呼ばれ、大和が張り切って、はい!と立ち上がる。
「こんにちは!よろしくお願いします!」
「こんにちは。ご主人、気合い入ってますね。じゃあ佐倉さん。前回から2週間経ちましたが、何かありましたか?」
「いえ、特には。少しずつ仕事を始めたところです。と言っても午前中だけですし、通勤は車とタクシーにしています。身体に無理なくやっていますし、何より良い気分転換になっています」
「そう!それなら良かったわ。血液検査や尿検査も異常は見られません。じゃあエコーしますね。このベッドに横になって、お腹を出してください」
「はい」
恵真が靴を脱いでベッドに横になると、大和がソワソワと動き出す。
「はーい、ご主人。気が早い。まだ座ってる」
年輩のベテラン助産師に両肩を掴まれ、椅子に座らされる大和を見て、恵真は思わず吹き出してしまう。
恵真がシャツをめくると、助産師はお腹の下の方にタオルをかけてくれた。
「では、お腹にゼリーを塗りますね。少し冷たいですよ」
「はい」
そしていよいよ、先生が機械を恵真のお腹の上に当て始めた。
少しずつ動かして何枚か静止画を撮っているが、モニターの画面はこちらからは見えない。
恵真がドキドキしながら待っていると、やがて先生はにっこり笑って画面の向きを変えた。
「順調ですよ。一緒に見てみましょう」
「はいっ!」
大和が大きな声で返事をする。
「ご主人、もう少し近くにどうぞ」
「え、いいんですか?」
「あ、さすがにそこは近すぎ!ここまでよ」
モニターにかじりつこうとする大和を、先生が真顔で押し戻す。
大和は緊張した面持ちで、恵真の手を握ってきた。
「はい、じゃあよく見ててね。ほら、これが赤ちゃん達。二人並んでるでしょう?」
「わあ!可愛いな。動いてる動いてる。あ!もしかしてこっち見てる?お手々が!手を振ってるぞ、恵真」
「大和さん、あの、私モニターが見えないの」
「あ!ごめん」
慌てて大和がモニターから離れると、恵真にも小さな赤ちゃんの様子が見えた。
「うわあ、可愛い!ちゃんと頭とお手々がはっきり分かりますね」
「そうね。身長は6cm、頭の大きさは2cmくらいで、二人とも標準の大きさよ。栄養の偏りもないみたいだし、よく動いて元気いっぱいね」
「良かった…」
ホッとした途端、恵真は思わず涙が込み上げてきた。
やはり毎日気を張って、心配しながら過ごしているからだろう。
二人の元気な姿を見ると、ママ、大丈夫だよ!と言われているような気持ちになる。
恵真は、心の底から愛しさが溢れてきた。
「可愛いな。早く会いたい。元気に大きくなってね」
モニターに映る二人に、恵真は優しく笑いかけた。
大和は、傍目にも分かりやすくウキウキしている。
「恵真、今日からだよな?お腹のエコーになるの」
「はあ、おそらく…」
恵真は自信なさげに返事をする。
確証はないが、今日からお腹の上からの超音波検査になり、つき添いの大和も一緒に見られるはずだった。
大和は受付で待つ間も、恵真が誕生日に贈った手帳をニヤニヤと見返している。
「あれから2週間かあ。おちびちゃん達、大きくなったかなー?」
こういう時の大和は、横から何を言っても耳に入らない。
恵真は心得たように、黙って隣に座っていた。
やがて、佐倉さーんと名前を呼ばれ、大和が張り切って、はい!と立ち上がる。
「こんにちは!よろしくお願いします!」
「こんにちは。ご主人、気合い入ってますね。じゃあ佐倉さん。前回から2週間経ちましたが、何かありましたか?」
「いえ、特には。少しずつ仕事を始めたところです。と言っても午前中だけですし、通勤は車とタクシーにしています。身体に無理なくやっていますし、何より良い気分転換になっています」
「そう!それなら良かったわ。血液検査や尿検査も異常は見られません。じゃあエコーしますね。このベッドに横になって、お腹を出してください」
「はい」
恵真が靴を脱いでベッドに横になると、大和がソワソワと動き出す。
「はーい、ご主人。気が早い。まだ座ってる」
年輩のベテラン助産師に両肩を掴まれ、椅子に座らされる大和を見て、恵真は思わず吹き出してしまう。
恵真がシャツをめくると、助産師はお腹の下の方にタオルをかけてくれた。
「では、お腹にゼリーを塗りますね。少し冷たいですよ」
「はい」
そしていよいよ、先生が機械を恵真のお腹の上に当て始めた。
少しずつ動かして何枚か静止画を撮っているが、モニターの画面はこちらからは見えない。
恵真がドキドキしながら待っていると、やがて先生はにっこり笑って画面の向きを変えた。
「順調ですよ。一緒に見てみましょう」
「はいっ!」
大和が大きな声で返事をする。
「ご主人、もう少し近くにどうぞ」
「え、いいんですか?」
「あ、さすがにそこは近すぎ!ここまでよ」
モニターにかじりつこうとする大和を、先生が真顔で押し戻す。
大和は緊張した面持ちで、恵真の手を握ってきた。
「はい、じゃあよく見ててね。ほら、これが赤ちゃん達。二人並んでるでしょう?」
「わあ!可愛いな。動いてる動いてる。あ!もしかしてこっち見てる?お手々が!手を振ってるぞ、恵真」
「大和さん、あの、私モニターが見えないの」
「あ!ごめん」
慌てて大和がモニターから離れると、恵真にも小さな赤ちゃんの様子が見えた。
「うわあ、可愛い!ちゃんと頭とお手々がはっきり分かりますね」
「そうね。身長は6cm、頭の大きさは2cmくらいで、二人とも標準の大きさよ。栄養の偏りもないみたいだし、よく動いて元気いっぱいね」
「良かった…」
ホッとした途端、恵真は思わず涙が込み上げてきた。
やはり毎日気を張って、心配しながら過ごしているからだろう。
二人の元気な姿を見ると、ママ、大丈夫だよ!と言われているような気持ちになる。
恵真は、心の底から愛しさが溢れてきた。
「可愛いな。早く会いたい。元気に大きくなってね」
モニターに映る二人に、恵真は優しく笑いかけた。



