妊娠3ヶ月の半ばになり、転院先の病院での初診を間近に控えたある日。
結婚式を挙げるホテルの料亭で、恵真と大和は互いの両親を招いて食事をする事になった。
入籍の際、大和と恵真はそれぞれの実家に行って両親に紹介を済ませていたが、両家の顔合わせは先延ばしになっていた。
今日はその顔合わせと結婚式の詳細を伝える事、そしてもう一つ大事な事も一緒に伝えるつもりだった。
ところが、初めて顔を合わせた互いの両親は、恵真と大和をそっちのけで話が盛り上がる。
「まあまあ、ご挨拶がすっかり遅くなりまして。大和の母です。こんなに素敵なお嬢さんにお嫁に来て頂いて、私達とっても嬉しくて。ご両親にも感謝の気持ちでいっぱいです。ねえ、あなた」
「本当に。もっと早くご挨拶を申し上げるべきところ、遅くなりまして申し訳ありません。息子との結婚をお許し頂き、ありがとうございます」
頭を下げる大和の両親を、恵真の両親は慌てて止める。
「こちらこそ、ふつつかな娘を迎えてくださって感謝しております。本当にありがとうございます。大和さんはとても優秀なパイロットでいらっしゃるのに、まだまだ未熟者の娘を選んでくださって」
「いやー、何をおっしゃいますか。お嬢さんこそ、女性パイロットとして立派に操縦桿を握っていらっしゃる。素晴らしいですよ」
「いやはや、ちゃんとやっているのかどうか…。パイロットになりたいと言い出した時には、もうびっくり仰天致しまして」
「そうでしょうねえ。息子が言い出した時ですら、私達もびっくりしましたから。お嬢さんが、しかも恵真ちゃんのようなおしとやかな娘さんなら、尚更驚かれたでしょうね」
いやいやーと、恵真の両親は手を振って否定する。
「おしとやかなんて、とんでもない。昔から娘は、言い出したら聞かない頑固者でしてね。パイロットなんて、と必死に止めましたけど、やはり無駄でした。あはは!」
「そうでしたか。でもそのおかげで、うちの大和は恵真ちゃんと結婚してもらえたのですから。いやー、本当に有り難い。もう私達、大和の結婚は諦めてたんですよ」
「ええー?本当ですか?こんなにハンサムで、しかも優秀なキャプテンでいらっしゃるのに?」
「いえいえ。空ばっかり見て、全く女性とおつき合いする気配もなくてですね。息子は飛行機と結婚しました、なんて、周りの知り合いには自虐的に報告してましたよ。あはは!」
結婚式を挙げるホテルの料亭で、恵真と大和は互いの両親を招いて食事をする事になった。
入籍の際、大和と恵真はそれぞれの実家に行って両親に紹介を済ませていたが、両家の顔合わせは先延ばしになっていた。
今日はその顔合わせと結婚式の詳細を伝える事、そしてもう一つ大事な事も一緒に伝えるつもりだった。
ところが、初めて顔を合わせた互いの両親は、恵真と大和をそっちのけで話が盛り上がる。
「まあまあ、ご挨拶がすっかり遅くなりまして。大和の母です。こんなに素敵なお嬢さんにお嫁に来て頂いて、私達とっても嬉しくて。ご両親にも感謝の気持ちでいっぱいです。ねえ、あなた」
「本当に。もっと早くご挨拶を申し上げるべきところ、遅くなりまして申し訳ありません。息子との結婚をお許し頂き、ありがとうございます」
頭を下げる大和の両親を、恵真の両親は慌てて止める。
「こちらこそ、ふつつかな娘を迎えてくださって感謝しております。本当にありがとうございます。大和さんはとても優秀なパイロットでいらっしゃるのに、まだまだ未熟者の娘を選んでくださって」
「いやー、何をおっしゃいますか。お嬢さんこそ、女性パイロットとして立派に操縦桿を握っていらっしゃる。素晴らしいですよ」
「いやはや、ちゃんとやっているのかどうか…。パイロットになりたいと言い出した時には、もうびっくり仰天致しまして」
「そうでしょうねえ。息子が言い出した時ですら、私達もびっくりしましたから。お嬢さんが、しかも恵真ちゃんのようなおしとやかな娘さんなら、尚更驚かれたでしょうね」
いやいやーと、恵真の両親は手を振って否定する。
「おしとやかなんて、とんでもない。昔から娘は、言い出したら聞かない頑固者でしてね。パイロットなんて、と必死に止めましたけど、やはり無駄でした。あはは!」
「そうでしたか。でもそのおかげで、うちの大和は恵真ちゃんと結婚してもらえたのですから。いやー、本当に有り難い。もう私達、大和の結婚は諦めてたんですよ」
「ええー?本当ですか?こんなにハンサムで、しかも優秀なキャプテンでいらっしゃるのに?」
「いえいえ。空ばっかり見て、全く女性とおつき合いする気配もなくてですね。息子は飛行機と結婚しました、なんて、周りの知り合いには自虐的に報告してましたよ。あはは!」



