「恵真、夜が明けるよ」
「ええ」

暗闇の中を数時間飛び続けた飛行機に、夜明けの瞬間がやって来た。

真っ暗な世界が徐々に群青色へと変化し、柔らかなオレンジ色の光が少しずつ射し込んでいく。

恵真は胸元のネックレスに手をやった。

トパーズのブルーとシトリンのオレンジ。

それはまさに、目の前に広がる世界そのものだった。

「なんてきれいなの。こんなに素晴らしい世界に生きてるのね、私達」
「ああ、そうだな。世界はこんなにも美しさに溢れている。子ども達にも、キラキラと輝く未来が待っている」
「ええ」

二人は自然の雄大さに息を呑みながら、いつまでも目の前に広がる空に見とれていた。