「恵真、パイロット復帰おめでとう!」

大和が拍手すると、翼と舞も、おめでとう!と手を叩く。

「ありがとう!」

恵真は数ヶ月に及ぶ復帰訓練を終え、航空身体検査もクリアし、遂に副操縦士として正式に復帰する事になった。

「本当におめでとう!妊娠も出産も、仕事のブランクも、全部恵真にばかり背負わせてしまってごめん。心から感謝するよ。ありがとう、恵真」

大和はピンクの大きなバラの花束を、恵真に手渡す。

「わあ!なんてきれい。ありがとうございます、大和さん」

すると、翼も舞も、小さな手で画用紙を差し出す。

「はい!おかあさん」
「ありがとう!何かな?あ、絵を描いてくれたのね」
「うん!おかあさん。おたんじょうび、おめでとう」

え?と、恵真と大和はしばし固まる。
そして我慢出来ずに笑い出した。

「ありがとう!翼、舞。おかあさんの誕生日はちょっと過ぎちゃったけど、このプレゼントはとっても嬉しい!早速、飾るね」
「うん!」

恵真は、笑顔で二人を抱きしめた。