「大和さん。今夜は寝室で寝てください」

お風呂上がりに白湯を飲ませていると、ふいに恵真が声をかけてきた。

「え?寝室って、俺が?」
「はい。明日フライトですよね?キャプテンが寝不足で飛ぶ訳にはいきません。双子のお世話は私一人で大丈夫なので、大和さんは寝室でしっかり睡眠を取ってください」

でも…と大和はためらう。

「私はパイロットの妻です。きちんとその役目も果たさなければいけません。それに寝不足で乗務するのが、どんなに危険な事かも理解しています。大和さん、しっかり身体を休めてください。もしどうしても私一人では無理だったら、その時は少しお願いさせてください」

真剣な恵真の表情に、大和も最後は頷いた。

「分かった。いつでも呼んでね」

夜、双子は一度眠ってから、23時に泣き始めた。

二人に授乳し、寝かしつけてから大和は寝室へ向かう。

「じゃあ、恵真。いつでも声かけてね」
「はい、おやすなさい」
「おやすみ」

大和は優しく恵真にキスをしてから、リビングをあとにした。