「大和さん!聞いて聞いて!」

こずえと別れたあと、恵真は急いでマンションに戻り、リビングのドアを開ける。

大和が双子に添い寝しながら、ふふっと笑いかけてきた。

「恵真、ご機嫌通り越して興奮だね。どうしたの?」
「あ、ごめんなさい。大きな声出しちゃって」
「大丈夫だよ。二人とも良く寝てる」

大和は起き上がると、恵真とソファに並んで座る。

「あのね、さっきカフェでこずえちゃんにメッセージ送ったら、すぐ来てくれたの。それで一緒におしゃべりしたんだけど、こずえちゃん、伊沢くんと入籍したんだって!」

へえー!と大和も驚く。

「知らなかったなあ。そうか、伊沢が。あ、そう言えば…」
「え?どうかしたんですか?」
「うん。昨日部長がさ、俺と野中さんと伊沢見て、『お前達三人とも頭にお花が咲いてるな』って言ったんだ。何の事?って一瞬思ったけど、そうか、そういう事だったんだ」
「なるほど。赤ちゃんが産まれた野中さんと大和さん、結婚した伊沢くん。三人とも幸せそうに見えたんでしょうね」
「ああ、そうだろうな。呆れ気味だったから、幸せボケトリオ、みたいに思われたのかも」

幸せボケトリオ…と、恵真は苦笑いする。

「でも良かったね。久しぶりに友達に会えて」
「うん!大和さん、ありがとうございました」
「どういたしまして。いつでもここに遊びに来てもらったらいいよ。伊沢も一緒に」
「ほんとに?」
「もちろん!」

大和が頷くと、恵真は更に明るい笑顔をみせた。