「はい、きれいにしてきましたよー」

恵真の処置が続く中、身長や体重を測り、身体をきれいにしてもらった双子が、真っ白なおくるみに包まれて戻って来た。

「パパとママに抱っこしてもらいましょうね」

そう言って助産師が、まずは大和に男の子を抱かせる。

「うわっ…」

大和は緊張しながら、男の子を腕に抱く。

ガチガチに固くなって抱いていたが、赤ちゃんの顔を見ると、一気に頬を緩める。

「可愛いなあ。小さくてすべすべで。なんて柔らかいんだろう」

微笑ましく見ている恵真に、助産師は女の子を抱かせた。

「じゃあ妹ちゃんは、ママに抱っこしてもらいましょうね」

胸の上に寝かされた赤ちゃんを、恵真はそっと抱きしめる。

「わあ…。可愛い」

恵真は赤ちゃんの頬を、人差し指でチョンと触る。

「ふふっ、ぷくぷくしてる」

すると大和の興奮気味の声がした。

「恵真、見て!俺の指、握ってくれた!」

顔を上げて見ると、大和の人差し指を男の子がぎゅっと握りしめている。

「ほんとだ。私も握ってくれるかな?」

恵真もそっと女の子の手に、人差し指を近づける。

つんつんと触ると、赤ちゃんは一度手を開いてから、恵真の指をきゅっと握った。

「あっ、私も握ってくれた!」

二人ではしゃいでいると、看護師が近づいて来た。

「良かったらお写真撮りますよ」
「あっ、お願いします」
「はーい、笑ってー」

恵真と大和は赤ちゃんを抱き、とびきり幸せそうな笑顔をみせた。