私の後ろから、そんな低い声がして。
思わずビクッと肩が跳ねてしまう。
パッと後ろを向くと、そこには同じクラスであろう男の人が私と識くんを見ていた。
……いや、違う。
私とは、目を合わせようとしない。
「ご、ごめんなさい……っ」
冷たい目がなんだか怖くて急いで道を開ける。
少し情けない声が出て、うぅ……となりながらチラリと相手を見ると。
少し目を見開いて、一瞬だけ私を見た。
そのまま無言で私たちの横を通り過ぎていって。
「春哉(はるや)くん、容赦ないね……」
「せっかくかっこいいのに、女嫌いとかもったいないよね…」
「わかる。私正直タイプだもん」
周りの子の会話を聞いて思い出した。
日野春哉(ひの はるや)くん。
同じクラスの男の子で、識くんに劣らないぐらい綺麗な顔をしている。
人気なんだけど……極度の女嫌いらしい。
同じクラスだから、さすがの私も日野くんのことは知っている。

