パッと手を上げて私から離れた識くんにふぅ、と息を着く。
「まあこんな入口にいるのも落ち着かないし、奥行こうよ」
「…うん?」
識くんにそう言われ私もついて行くが。
なんでここに来ているのか……ということを考えると、なぜ?という思考になってしまう。
「…えっと、どうかしたの?」
「んー、雪音と話したいなあって」
「っ、え?」
「雪音といると癒されるし」
サラッと口にした言葉に、かああっと顔に熱が集中する。
ま、また顔が……っ!!
すぐに赤くなってしまう体質に焦る。
今は識くんと二人だからいいけど……学校生活で赤くなっちゃったら大変だ……っ。
スカートをキュッと手で握って目をキョロキョロさせていると。
「……雪音さ、廊下ですれ違った時も顔赤くしてたよね」
「…っえ、やっぱり気づいてたの……?」
「俺からしたら分かりやすいね」
「う……っ」

