シュガートリック





────グイッ


「きゃ……っ!」


資料室の中から伸びてきた手に腕を捕まれ引っ張られる。
そのままバランスを崩して資料室の中に倒れ込みそうになると、自分よりも大きいなにかが私を支えてくれて。


そのまま、ピシャリと扉を閉められた。


……っ、なに?

私を支えているのは人の身体だ、とすぐに理解してテンパってしまう。

なんか……っ、抱きしめられて……?


わけも分からず困惑して、パッと顔を上げると。


「……っ、識、くん……!」


そこに居たのは、ニコニコと笑っている識くんで。
心のどこかでホッとしてしまう。

もし目の前にいたのが知らない男の人だったら……そう思うとゾクッとするが。
それが識くんだと分かった瞬間、謎の安心感に襲われた。


廊下からは人が帰っていく音がして。
それでもここには私と識くんしかいない。


「あ、あの……離してもらえると……」

「ああ、ごめんごめん。つい」