話を聞きながら荷物を整理して廊下に目を向けると、流歌ちゃんが焦ったように私を手招きしていて。
「おはよう流歌ちゃん」
「おはよう……って、そうじゃなくて!ちょっとこっち来て!!」
流歌ちゃんの所に向かうと、私の腕をグイグイと引っ張って廊下の隅っこに寄る。
「ちょっと…っ、なんで月居識(つきおり しき)との噂広まってんの!?」
「……月居、識?」
「え……もしかして雪音、あの男の名前知らないの……?」
「……イケメンさんの名前なの?」
私の反応に、ありえない!とでも言うような顔をする流歌ちゃん。
で、でも、本当にわからなくて……。
「……だめだ、こんなに純粋な雪音をあの月居識に預けられるわけがない。危険だよ」
「……あの月居識?"あの"って、なに?」
「…月居識、二年二組で一応私と同じクラスなんだけど……有名な噂は"経験人数は星の数"」

