愛を知らなかった人が愛を知った。
それがどうしようもなく嬉しくて凄いことだとわかる。


「雪音じゃなかったら知らなかっただろうな」

「…っ、そう、かな」

「うんそうだよ。前まではいつも空っぽだったのに、今は……こんな満たされてるのは初めてだよ」


識くんのその言葉が胸を苦しく締め付けた。

だって……っ、私じゃなきゃダメって言われているみたいで……っ。

かああっと顔が熱くなって一人恥ずかしくなる。


「…ふっ、なんで赤くなるの?俺別に雪音をドキドキさせるようなこと言ってないでしょ」

「そ、そうなんだけど……っ」

「…可愛すぎるね」

「っ、い、一旦黙って……っ!」


余裕そうな笑みを浮かべて言った識くんにどんどん心拍数が上がって困る。

……っ、私、これからやっていけるかな……っ。
ドキドキしすぎて、本当にしんじゃうかも……っ。

なんて一人頭の中で考えていると。


「…っん!?」


不意をついて、一瞬にしてキスをされてしまって。

……〜〜っ!!もう、識くんのばかぁ……っ!!

と、頭からプシューと蒸気が出るほど真っ赤になってしまった。