チラッと識くんの顔を見上げると。


「朝から可愛いね」

「っへ?!」

「そんな可愛い顔周りに見せないで」

「…っ」


ふわっと微笑みながら言った識くんの甘い言葉に心臓がギュンっと動く。

かああっと顔が熱くなるのがわかって、周りの人に見えないように顔を隠す。

そんな私にもまた笑った識くんは、私の手をギュッと握ってきて。


「行こ」


と言って歩きだした。
手は繋がれたまま玄関に向かう。

こんな…っ堂々と、手……っ!!

朝から私には心臓に悪すぎて言葉にならない。


「ちょっ、識くんと花染さんって……?」

「あんなに仲良かったの?手繋ぐほど?」

「ま、まさか……っ」

「付き合ってる……っ!?」


私達が歩くその横で、そんな会話が聞こえて。

つ、付き合ってる……。
この言葉に反応しては、ドキドキしてしまう。