そう言った識くんに驚く。
やっぱりって……気づいてたってこと?
「…あーもう」
「…?識くん……?」
「……春哉に先越された……最悪」
「え……?」
すると突然大きなため息をつきながら机に寄りかかった識くんに困惑してしまう。
先越されたって……なにを……。
「……俺雪音に言ったじゃん、特定の相手はいらないって」
「…うん」
「それ撤回させて」
「え……」
ピタッと動きを止めて識くんを見つめる。
撤回……していいの……?
戸惑う私の心を読んだのか、識くんはフワッと笑って。
「……こっち来て、雪音」
「…っ、う、うん」
私に手招きする識くんに言われた通り近づく。
ドクンドクンと心臓の音が大きくなる。
な、なんで、こんな緊張してるの……っ?
識くんの目の前に立った時。
識くんは私の腕を掴むとグイッと私を引き寄せて腰に手を回した。

